だいず大プロジェクト⑨~中が一番大事!~
公開日: 2024年1月25日木曜日
こんにちは。生活科の芦原です。
前回、内田安喜商店の後藤さんのお話を聞いて「大変なのに、何でわざわざするのだろう」という疑問から「何か理由があるんじゃないか」と考え、自分たちでその理由を考える活動をしたことをお伝えしました。今回は、その続きをお知らせします。
授業の初めに、えいしんくんの「先生、多分豆腐だけじゃなくて、味噌とかも工夫があると思うよ。」という言葉を取り上げました。すると、子どもたちは「おぉー!」と声を上げ、うなずく姿も見られました。そこで、貝島商店の味噌の仕込みについてもう一度考えてみることにしました。
タブレットに保存している味噌の仕込みの動画や写真、ドキュメンテーション(これまでの学びを写真や吹き出しを使って記録したもの)、メモなどを何度も見返しながら、子どもたちは気になるところを確認していました。大型の機械で混ぜる前に、大豆と塩と麹を合わせたものをミンチ状にしていること、高さ185㎝ほどの木桶の中に職人さんが入って、味噌の空気を抜くことなどに注目していました。
多くの子どもたちが注目していた「材料(大豆・塩・麹を合わせたもの)をミンチ状にする」というところでは、こんなやりとりがありました。
T:「どうせ混ぜるんだから、麺みたい(ミンチ状のこと。子どもたちは「麺みたい」と言っていました)にする必要ないんじゃない?」って。
じゅんな:麺みたいにするのは、この後に黄色い水(種水)と混ぜやすくするためだと思 う。
C:あぁー!!
あきひで:でもさ、混ぜやすくするなら水(を入れること)で十分じゃない?
じゅんな:でも、その後でどっかが硬かったりしたら…
さな:半分硬かったり柔らかかったりしたら、(お客さんに)迷惑かける。
さら:おいしかったりおいしくなかったりする。
T:同じ味噌なのに、ここの部分はおいしかったりここの部分はおいしくなかったり?
C:えー、迷惑!びっくりしちゃう!やだなーって。
みつき:もう買いたくないなぁって。
さら:くじ引きじゃん、もう!
当初、子どもたちは「どうせ最後に混ぜるのだから、わざわざ麺のように(ミンチ状)にする必要はないのではないか」と考えていました。しかし、それをわざわざされているのは「しっかり混ざっておいしい味噌ができるように」「どこを食べてもおいしい味噌になるように」ではないかという風に考えが変わっていきました。
また、見学した際に貝嶋さんがおっしゃっていた「作る時間よりも掃除する時間の方が長い」という言葉が気になった子どもがいました。(※製造に使う機械の中に職人さんが入って、掃除をされるそうです。)
あん:どうして、中にわざわざ入るの?
しょう:出るのも大変!
T:「わかばさんが言っていたみたいに、自分が中に入らなくても外からこうやって(身を乗り出して)掃除すればいいんじゃない?
C:えぇー!きれいにしないといけない!
さや:中が一番大事!
T:どういうこと?中が一番大事?
さや:掃除しないと、ウイルスとか、そのまま味噌作ったら、その味噌を食べた人が病気になっちゃう。
かや:確かに!
りょう:そうだったら、ウイルス食べるのとおんなじだ。
さや:病気になって、命に関わるかもしれない。
さら:お客さんを困らせちゃう。
といったやり取りが見られました。もし、味噌を食べて具合が悪くなってしまうと「食べるのが怖くなってしまう」「(怖くて)他の味噌も食べられなくなる」といった発言も聞かれました。
職人さんが木桶の中に入って空気を抜くことについても「機械を使ったら簡単かもしれないけれど、見落としがある。機械にも限界がある」といったやりとりがありました。
子どもたちが「大変なのにどうしてするの?しなくてもいいんじゃない?」と思うことを製造の方が「あえてされている」ことに注目しました。その理由を自分たちなりに考えることによって「おいしさやお客さんのことを大事にしているんじゃないか」ということが少しずつ見えてきました。
次回へ続きます。
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