ねんちょうさんとなかよし大さくせん!⑪

公開日: 2024年12月28日土曜日

 こんにちは。生活科の芦原です。

 前回、子どもたちが秋の遊びつくっていく様子についてお知らせしました。回を重ねるにつれて様々な工夫が見られるようになってきましたが、ある程度つくると満足してしまい、「飾り付けをすれば完璧」「景品をたくさん用意すればいい」と考える子どもも見られました。一方で「うまくいかない」と悩んでいる子どもの姿もありました。そこで、一度遊びそのものに目を向けることが必要だと考えました。

 子どもたち同士で互いの遊びを試したことがあったのですが、そのときに「面白かった」「たのしかった」と言われた子どもたちを最初に取り上げました。


  T:こうきさんの迷路、結構行列ができてたよね?どんな迷路なの?

こうき:なんか、2段の迷路。

 CC:え?あぁー!2段の迷路?どうなってんの?難しそう!

さとる:なんか、少ししか見たらダメなんでしょ?

こうき:うん。全部見たらおもしろくなくなるから…

  T:じゃあ、下の段がわざと見えなくなってるってこと?

こうき:はい。

  T:わざとやる(見えなくなる)のがたのしいってこと?へぇ。

CC:確かに!おもしろそう。

 こうきさんは、箱を重ねて2段の迷路をつくっていたのですが、「わざと下の段を見えづらくする」という工夫をしていました。こうきさんを取り上げることにより、「わかりづらさもたのしさになる」という新しい工夫に気付く子どもたちの姿がありました。

 一方で、どんぐりのけん玉をつくっていたそうたさんは「ぼくだけうまくいかない」と、ずっと悩んでいました。

  T:そうたさん、ずっと言っていたよね?ちょっと教えてくれる?

そうた:けん玉がみんなは入るのに、他のグループの人のは入るのに、ぼくのだけいっつーも入らないから、年長さんがやってもできなくてつまんなくなっちゃいそう。

  T:あー、そこずっと気にしてるよね。なかなか入らない。

CC:なかなか入んないのはおもしろくないよ。

えいと:しかも、1年生が入らないなら年長さんも入らないんじゃないの?

まゆこ:けん玉が上手な年長さんだったら入るかも。

  T:でもそうたさんは、難しい、なかなか入らないっていうのが年長さんはたのしくないんじゃないかって気にしてるってことだよね?

そうた:(うなずく)

えいと:逆に簡単すぎたらダメだし。

 このやりとりをきっかけに、子どもたちからは「簡単すぎでも難しすぎでもないものがいい」という考えが生まれ、それを目指して遊びを改良してくことになりました。

 

その後、自分たちのグループに戻り、工夫を加えていく様子が見られました。

 こうきさんの「わざと」という言葉から閃いたちかしさんは、「落とし穴に見せかけたゴールをつくる」ということを考えていました。(2つ落とし穴をつくり、1つは本当に落とし穴でもう1つは落とし穴風のゴールになるそうです。)穴に落ちると、恐らく年長さんは「しまった!落とし穴に落ちた!」とがっくりしてしまいます。しかし、「落とし穴に落ちたけれど、実はゴールしていた」ということで、年長さんががっくりからびっくり(嬉しさ)に変わることを狙っていたようでした。

 
 ちかしさん以外にも「一見するとあたりのようだけれど、実ははずれ」と、くじをつくりかえている子どもたちもいました。

 どんぐりのけん玉がうまくいかないと悩んでいたそうたさんは…
 うまくいっている他のグループの友達に聞きに行き、糸の長さを短くしたりどんぐりの大きさを変えたりして、以前よりも入るようになっていました。しかし「これでは簡単すぎる」と納得しておらず、もっと工夫ができるようだと考えているようでした。


 「年長さんがもっとたのしめるように」と、一生懸命考え、工夫する子どもたちの姿が見られました。
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