ねんちょうさんとなかよし大さくせん！～もうすぐ２ねんせい～⑤

公開日： 2025年2月10日月曜日

 　こんにちは。生活科の芦原です。

　前回、年長さんに小学校のことを説明したり気になることを聞いたりしてみたものの、「あまり聞けなかった」と感じた子どもたちが多かったことをお伝えしました。今回は、その続きからお伝えします。

　はじめに、年長担任のしんや先生から聞いた年長さんの感想を伝えました。

　「年長さんは、運動場や人工芝で遊んだことがたのしかったんだって」と伝えると、子どもたちの表情が曇りました。「みんな、納得してない顔をしているけれど？」と尋ねると、「だって、小学校は授業もあるのに」「もっと他にもあるのに…」と、遊びの部分に年長さんの意識が集中して、自分たちが伝えたことが心に残っていないことが残念だったようでした。「給食では、当番っていう人が運んだりついだりする」「帰りの会では、友達が頑張っていたことを発表する」と他のこともあったのですが、「年長さんの心に1番残ったのが遊びだった」ということが納得いかなかったようです。

　特に、前回からずっと不満そうだったゆきなさんに聞いてみました。

Ｔ：ゆきなさんは「年長さんは隠してる」ってこの前から言ってるよね？

ゆきな：だって、年長さんに授業のこととか掃除のこととか色々教えたのに、掃除しか反応がなかったから…だから、わくわくも心配もはてなも分からなかったです。

Ｔ：そうたさんも大さくせんノートに「隠してる」って書いていたよね？全然話してくれないって。

そうた：うん。りょうたくんは全然話してくれないし、「ほうきを使いたい」って言ったのに「やらない」って言われて、何でか全然分からなかった。

ＣＣ：似てるー！

ちかし：なおとくんが質問に答えてくれなくて、「国語とか算数たのしみ？」って聞いたけれど「うーん…」みたいな感じで、ずっとふでばこを触って遊んで…でも「運動場行く？」「人工芝行く？」って聞いたら、そのときは「うん」って。

なごみ：みきとくんに「給食たのしみ？」って聞いたら「うん」って答えて、「国語たのしみ？」って聞いたら答えてくれなくて、だから2回「国語たのしみ？」って聞いたけどやっぱり答えてくれなくて…でも「体育たのしみ？」って聞いたら「うん」って言いました。

ＣＣ：自分の好きなことには反応してる？遊びとか体育とか。

まゆこ：（説明しているとき）ずーっと外ばっかり見てたもん。早く出たそうな感じだった。

Ｔ：年長さんは、「うん」か「ううん」で答えて、分からないと「うーん」って黙ってしまう感じだったんだ。なんかその答え方が多いね。

ＣＣ：それだと、どう思ってるのか分からない！

Ｔ：年長さんは、何で反応してくれなかったんだろうね？

ゆきな：もしかして、私たちの伝え方がよくなかった…？

ほのか：年長さんが悪いんじゃなくて、自分たちの説明の仕方とか聞き方とか！

まゆこ：だって、私たちだって「国語たのしみ？算数たのしみ？」って聞かれたら、「うん」か「ううん」しか言えないよ。

ＣＣ：あぁー、確かに！

ひとみ：「何がたのしみ？」って聞いたら、答えてもらえるかもしれない。

ゆきな：でも、それだと（小学校のことを）教えなかったら答えられないよ。

Ｔ：じゃあ、ちゃんと年長さんに伝えてから「何がたのしみ？」って聞くといいのかな？

ひとみ：（うなずく）

Ｔ：今さ、「答えてくれない年長さんが悪い」んじゃなくて「自分たちの伝え方や説明の仕方、聞き方がよくなかったんじゃないかな？」ってなってるよね。この前の自分たちの伝え方は年長さんにとって分かりやすかったのか、グループで振り返ってみようか。

　その後、年長さんにどんな伝え方をしていたかグループごとに振り返ってみました。

　えりなさんとはるとさんのグループでは、えりなさんが「じっくり見せて、じっくり説明すればよかったよね」という話をしていました。」どういうことか尋ねてみると、「『これが国語でしょ、これが算数』ってシュッ、シュッ（画面をスワイプ）てやってたから…例えば給食だったら、『これがパンでね、これがクジラのメンチカツで、これは甘夏のサラダ。これは冬野菜のスープなんだよ。牛乳は毎日出るんだよ』とか、ちゃんと説明すればよかった」と答えました。それを他の子どもたちにも投げかけると、「似てるー！シュッシュッて1秒くらいしか見せてなかったかも」という声が挙がりました。

　この時間を通して、子どもたちは「伝えているつもりで年長さんに伝わっていなかった」こと、それなのに「たのしみ？分かる？どう？」と一方的に聞いてしまい、年長さんを余計に混乱させていたことに気付きました。